*競売ドキュメント 俺は務所帰りや。お前か!この家を落札したのは?3

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いよいよ裁判所である。胸がどきどきする。山田は裁判所の中へ入った経験がなかった。

廊下は三々五々人が歩いている。手錠をかけられロープにつながれた人も混じっている。

執行官室に近づくと「暴力団に脅されたときは当裁判所か最寄の警察署に連絡してください。」と書いた紙が廊下の壁に貼ってあった。

だんだんと心細くなってきた。今まで暴力団の資金源になっていたことは知っていたが、今はそんなことはないんだということも聞かされていた。

しかしこんな貼り紙を現実に見ると、どうも消極的になる。山田は迷った。

しかし駅から300mが魅力だ。裁判所の書類を見るだけなら関係ないだろう、せっかく裁判所まで来たんだからと覚悟し、執行官室に進む。あった。閲覧室である。
誰の許可も必要ないようである。

ドアを開けると、中にいた人たちの視線を浴びた。
初めてではないんだ、こんなことは慣れているんだぞという態度で悠々と空いている席に着く。そしてカバンから筆記用具を取り出す。

付近をみると、暴力団風の人間はいない。書類棚にファイルが並んでいる。その書類棚からファイルを持ってきては自分の席でそのファイルと見ている。

あれか、あそこに書類があるんだ。そうだ。事件番号(平成○○年(ヶ)○○○○号)順に並べてあるに違いない。物件情報をプリントしていたのでそれを持って書類棚のところへ行く。

ファイルの背には事件番号が書かれている。順番は狂っていたが目ざす事件番号のファイルがあった。

それを持って、いつもそうしているふりをして自分の席へ持ち帰る。

3点セットといわれる物件明細書、現況調査報告書、評価書があった。外部、室内の写真がたくさん掲載されている。

向こうの方にコピー機が置いてある。見ているとお金を入れてコピーしている。

これだ、少々費用がかかっても全部コピーして、家に帰ってからゆっくり見ればいいんだ。その方がしろうとの自分にとってはいいと判断した。コピー代は安かったのでさほどかからなかった。(続)



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